「改めて、こんにちは。生徒会長の北条歩美(ほうじょう あゆみ)です。よろしくね」

やっぱりさっきの人が生徒会長だったんだ。

明日香先輩に似た綺麗な亜麻色の髪は、思わず見とれてしまうほどだ。

それに加え、細めの眼鏡が知的な印象を醸し出していた。

「んで、わいが副会長の村中源十郎(むらなか げんじゅうろう)や。みんな、よろしゅう」

関西弁の人は副会長だったのか。

坊主頭で、顔が少し黒いのが印象的だ。

その上、関西弁か。サングラスとかかけたら恐そう。

背も結構高いな。百九十くらいあるよな〜。織田くんより高いかも。

吹奏楽部の人で一番高いのが、海斗先輩の百七十八だから、それを含めても頭一つ飛び出た感じになっている。

「えと、会計の綾瀬遼(あやせ はるか)です。二年生です、こんな名前ですが、一応男です」

少し控えめな感じの男の子だ。あれ? 同級生なのに男の子って言い方変かな?

二年生と言うには少し低めの身長、って俺も人のことは言えないが。

前髪が目にかかっているけど、眼鏡をかけてるからそんなに邪魔にはならなそう。

なんか、この人も俺と同じ悩みを抱えてそうだ。名前とか、容姿とか。

名前なんて、○カリスエットや○カチューで有名な、某人気女優と同じだし。

なんというか、女装させたら似合いそうだもん。

「書記の北条綾香です。よろしくお願いします、二年生です」

北条さんの印象は・・・・・・いいか。

その後、俺たちも自己紹介して、話は本題へ。

「なるほど・・・・・・。そんでわいらに協力してほしいんやな?」

「今、吹奏楽部は何人いるの?」

「え〜っと、十一人?」

「明日香、十二人だ、ってさっき言っただろ?」

「あ〜、そうだったわね。十二人です。辰哉くん入れるの忘れてた♪」

忘れてた♪ って、明日香先輩の中で辰哉の存在って一体・・・・・・。

まぁ、確かにここ最近一緒にいること少ないけど・・・・・・。

よく忘れられてたりするけど・・・・・・。

あ、いつも忘れられてるじゃん。(詳しくは♯26ら辺や♯44をご覧下さい)

「十二人か〜。で? 何人くらい必要なの?」

「そうね〜。四十人くらい?」

生徒会ってそんなにいるのか? いないだろうな。多分却下され・・・・・・、

「分かったわ。吹奏楽部に助っ人四十人・・・・・・と」

了承するのか!? そんなにいるのか、我が校は。

「違うわよ。生徒会の人が、助っ人をかき集めてきてくれるのよ」

あ、何だそういうことか。びっくりして損した。

いや待てよ? やっぱり凄くないか?

「わいらも助っ人として協力するけどな」

「というわけで、球技大会でも、演奏会でも、よろしくね♪ 龍宮くん」

「よろしく・・・・・・」

改めて、蒼葉高校の常識外れなところに気付かされた一日だった。

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