「とりあえず、みんながやりたい楽器は分かったし、今日はこれで終わりかな」

「「「「「は〜い」」」」」

部活が終わってもみんなは帰らない。

大体みんなで駄弁って、夕飯を食べてから帰るのだ。

まぁ作るのは俺なんだけど。

そういえば吹奏楽って十二人で大丈夫なのかな?

ちょっと心配になってきた。

明日香先輩に聞いてみよ。

「今更ながら思ったんですけど、吹奏楽をやるには十二人って少なくないですか?」

十二人だと、楽器が少ないし、音楽のボリュームも足りないんじゃないかな、と思ったからだ。

「大丈夫よ。生徒会の人にも協力してもらうし」

へ〜、生徒会の人にも・・・・・・、って、え?

「生徒会の人・・・・・・ですか?」

「そうよ。それでも足りないかもしれないけど、まぁ何とかなるでしょう」

「あ〜、そうですか。なるほど、生徒会ですか」

生徒会ってことは、北条さんとかもいるのか。

そういえば俺、生徒会長とか見たことないな。

何人ぐらいいるのかも分からないし。

ところで明日香先輩は誰と電話してるんだろう?

気がつくと、明日香先輩は誰かと電話しているようだった。

「生徒会の人、今から来るって」

「あ、そうなんですか? ・・・・・・え?」

い、今から?

ピンポーン♪

「あ、来たみたいね」

「早っ!」

「「「「おじゃましま〜す」」」」

生徒会の人らしき人が四人やってきた。

「うわ〜、大分少なくなったわね、明日香」

「去年は五十人ぐらいおったからな」

「なるほど、これは深刻ですね」

「あ、龍宮くん。こんにちは」

あ〜、やっぱり北条さんいるんだ。

「そうなのよ〜、だからちょっと手を貸してほしいな〜って」

「ん〜、どうしようかな〜?」

生徒会長っぽい人は、人差し指を顎に当てながら考えている。

「あ、そうだ。初めての人もいると思うから、自己紹介しなきゃ」

「そうやな。話はそれからや」

「え〜、そんな〜」

明日香先輩が遊ばれてるところって初めてみたかもしれない。

ちょっと得したなと思った。

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