「もしかして、そのお姉ちゃんって・・・・・・」
「生徒会長やってるわよ」
やっぱり・・・・・・。
なんか似てるなとは思ってたけど。
容姿とかキャラとか。
「それよりあの二人、バスケットに届かないのなんとかならないかしら」
「どうにもならないんじゃないかな?」
届かないんじゃ、シュートの正確性の問題じゃないし。
「とりあえず、絵里菜くんと土屋くんは三Pシュートの練習をして。織田くんはゴール下からのシュートをマスターしてね。あの二人は私がなんとかするから」
「了解。でも大丈夫?」
「大丈夫よ。なんとかするから気にせず練習して」
ほうじょ・・・・・・綾香さんに言われたとおり三Pシュートの練習をした。
※分からない人のために説明すると、三Pシュートとは、スリーポイントシュートのことで、簡単に言うとゴールの遠くから打つ、難易度の高いシュートなのだ!
「エリ、ただ練習するのもつまらないから、三P十本勝負しようよ」
という竜馬の一言で、十本勝負をすることになった。
尚、勝負の内容はくどくなりそうなので省略します。
「ま、負けた・・・・・・。エリ、強すぎ」
結果は九対六で俺の勝ち。
「絵里菜くん凄いわね。今回の勝負のキーマンになりそうね」
綾香さんが、また何かメモってる・・・・・・。
そういえば、あの二人はどうなったのかな?
「・・・・・・え?」
俺がふと見た先に信じられない光景が・・・・・・。
「えいっ!」
「やっ!」
ついさっきまでフリースローラインからリングに届きもしなかったあの二人が、ポンポンリングにボールを入れているではありませんか。
「・・・・・・何で?」
「ちょっとコツを教えたのよ。二人とものみこみ早くて助かったわ」
そういう問題なのかな? 届かなかった二人が? なんか信じられない。
「百聞は一見にしかず、よ。現にちゃんと入れてるでしょ?」
「いや、それはそうなんだけど・・・・・・」
なんか納得いかない。だって二人ともさっきまでリングに届――、
「くどいわよ、絵里菜くん。そういう男の人は嫌われるんだから」
「へ? あ、はい、気を付けます・・・・・・」
俺、なんか言ったっけ?
「さぁ! これで戦力は万全! 頑張って優勝しましょう!」
「「「「おー!」」」」
何はともあれみんなの息が揃ったみたいで良かった。
ただ、敵の中に三年七組がいるんだよね・・・・・・。