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「交通事故を引き起こす。五百万払う、ですって」 「ちっ。私は決して交通事故など起こさないというのに」 さて、今俺たちは何をしているでしょう? 「次、龍宮さんの番ですよ」 「あ、うん。・・・・・・あ~また一か」 「龍宮さんって、ノロマですのね」 「全くだ。そんなことでは生徒会の仕事など務まるものか」 いや、それとこれとは関係ないって。 大体、今勝ってるの俺だし。 「そういうことはその約束手形を全部無くしてから言ってくれるかな、南くん」 「言われてますわよ南さん。なんとか言ったらどうです?」 「あなたもですよ、西宮さん? お金より約束手形の方が多いじゃないですか」 やったことがある人はもう分かったよね? そう、ルーレットとマス目に書かれている事象だけで、人の一生を決めてしまう、あのボードゲームだ。 なぜやってるかというと、それは単純明快。 歩美先輩に「じゃ~第一回戦は『人○ゲーム♪』」と言われたからだ。 そんなこんなで始まったボードゲームは今、終わった。 「数えるまでもないね。俺の勝ちだ」 「くっ。こんな奴に負けるとは・・・・・・。不覚だ・・・・・・」 「まさかこのわたくしが負けるなんて・・・・・・。予想外ですわ・・・・・・」 二人とも、ショックに打ちひしがれてうなだれている。 この人たちは何をもって自分たちの勝利を確信しているのだろうか。 生徒会なんてそんな大それたこと出来ないし、わざと負けようと思ったのに、このゲームじゃそれもできない。 「あ~宗ちゃんも由貴もやっぱり負けた~? じゃあ次、第二回戦行ってみよ~♪」 歩美先輩はこの結果を予想していたようで、満面の笑みを浮かべてそう言った。って第二回戦!? 「そうよ~。言ったでしょ? 『第一回戦』って」 歩美先輩は、さも当然のごとくそう言ったけど、言ってないです、一言も。 依然、二人はうなだれたままだ。 そんなに悔しかったのか、たかがボードゲームで。 「次こそは! 次こそは勝ってみせる! 歩美様は私が護る!」 「もう負けませんわ! 龍宮さん! 覚悟してらっしゃい!」 心、折れないな~。この人たち、どれだけ自分を信じてるんだろう? 「ほら~二人ともやる気満々だし、納得いかないみたいだし」 いや、だってボードゲームで負けただけじゃ、そりゃ納得いかないですよ。 そんな皆の心を完全に無視して、一人楽しげな歩美先輩。 「それにあれよ? 『会長を含む役員三名以上の立ち合いのもと』行わなきゃいけないから、さっきのは無効よ、む・こ・う♪」 「「「・・・・・・えっ?」」」 ○生ゲームプレイ時間・・・・・・二時間。 ←back index Novel top next→ |