「いえ〜い、また大富豪〜」 今、俺たちは大富豪をやっている。 最初はババ抜きをやっていたのだが、いつも双子の一騎打ちになってしまったので、大富豪に変更したのだ。が――、 「やった〜沙耶が大貧民〜」 「あ〜ん、また沙希に負けた〜」 そう、例によって双子対決なのだ。 今までの大貧民の回数は沙希ちゃんが二十二回、沙耶ちゃんが二十三回、他三人、っていうかマイが四回なった。 つまり、俺と香澄ちゃんはまだ大貧民になっていない。 双子ってやっぱり思考回路も似てるのかな? 「いえ〜い、またまた大富豪〜」 香澄ちゃんの声が部屋中に響く。 今のでちょうど五十回目。 うち三十七回は香澄ちゃんが大富豪になっている。 強すぎだ、香澄ちゃん。 因みに残りの十三回は俺がなっている。 残りの三人がはっきり言って弱いのだ。 「「あの、香澄先輩? トランプ、やめませんか?」」 そう言ったのは結城姉妹だ。 「へ? 何で? 楽しいのに」 まぁ、あれだけ負け続けてれば、やめたくなるだろうな。 「う〜ん、まいっか。じゃあ何する?」 その時、コンコン、とドアをノックする音が聞こえた。 誰だろな、と思いつつドアを開けてみる。と、 「は〜いエリちゃん、みんなまだ起きてる?」 明日香先輩だ。アサガオ柄の浴衣を着ていた。 浴衣美人ってこういう人のことを言うんだろうな〜と思うほど綺麗だった。 「呼んできて?」 ・・・・・・は? 「何故で・・・・・・」 「早く♪」 なんか明日香先輩の目が怖かったので、急いでみんなを呼び集めた。 「それで、一体何の用でしょうか?」 なんか嫌な予感がする。 明日香先輩の事だから、きっと常識外れな返答が・・・・・・。 「カラオケ行くわよ! 準備して!」 ・・・・・・やっぱり。 「何故で・・・・・・」 「問答無用♪」 明日香先輩に無理矢理連れてかれる形で俺たちはカラオケをする事になった。 因みに今、日付が変わりました。 ←back index Novel top next→ |