「「「遅い!」」」
「「「お腹空いた〜」」」
 うわっ俺、無茶苦茶責められてる。
 ログハウスに着くや否や明日香先輩、香澄ちゃん、結城姉妹、亜沙子先生、辰哉、総勢六名に文句を言われる俺。
 俺、何か悪い事しました?
「絵里菜くん、ユエ、お疲れ。二人じゃ重かっただろう。僕も行けばよかったね」
「いえいえ、大丈夫ですよ。お気遣いありがとうございます」
 やっぱり海斗先輩は優しいな〜。
「絵里菜くん、お疲れ様」
「ん、ありがとう」
 マイも優しいな〜。
「「「「「「早く御飯作って!」」」」」」
 あなた達は、俺の疲労もお構いナシですか?
 うん、多分そうだな。と言うか皆の目が恐い。
 特に明日香先輩のが。
 兎に角襲われないうちに作っちゃお。
 ――料理の過程は一身上の都合により割愛――
 しばらくしてカルボナーラ、ペペロンチーノ、ミートソース、イカスミの四種類と、軽いおかずを少し作って、大皿に盛ってお好きにどうぞ、見たいな感じにした。
「私も手伝うよ」
 とユエ先輩が来てくれたので、比較的早く作る事が出来た。
「折角山の上なんだし、外で食べましょ」
 という明日香先輩の提案で、料理をテラスのテーブルに移動した。
 明日香先輩の音頭で昼食を摂る事になった。
「それでは、少々ハプニングもありましたが、お昼御飯にしたいと思います!」
『イエ〜イ』
「いただきます!」
『いただきます!』
 少し余るかなと思ったけどそんな事は無かった。
 スパゲティはイカスミが色のせいか、他のに比べて人気が無かったが、辰哉がバクバク食べてたから余ることは無かった。
 しかし皆よく食べるなぁ。
 一時間も経たないうちに、あんなにあった料理は跡形も無く消えていた。
 俺がお皿を片付けようとした時、
「それじゃあ食事もしたし、降りようか。エリちゃん、後ヨロシクね♪」
 え? マジですか?
「マジですよ?」
 俺は見事にログハウスに置いてかれた。
 俺が洗い物を終えて旅館に戻ったのは、それから二時間後の事だった。

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