「今日も暑くなりそうだね」 「まだ四月なのにね〜」 そう、今年は妙に暑く、四月だというのに気温は二十五度もある。 今は香澄ちゃんとゆっくり、のんびり、登校中。 「ねぇねぇ、絵里菜くんはゴールデンウィークってなにか予定あるの?」 「いや、特に無いけど」 「じゃあさ、どっか遊びに行こうか?」 この辺の地理はよく分からないし、このままだと一人で過ごす事になるから、 「うん、いいよ」 「やった♪ じゃあ何処に行くかはまた今度でいいよね」 思わぬところで一週間後に迫っているゴールデンウィークの予定が決まった。 楽しく会話を続けていたら、既にここは教室の前。 「じゃあ私一組だから」 「あっうんじゃあね」 時間は八時十五分、まだまだ余裕な時間。 「あ〜あ、私も二組が良かったな〜」 なんて言葉が一組から聞こえたが、聞こえなかった事にして教室に入った。 しかし、楽しい時間は直ぐに過ぎていくな〜。 「朝から御二人さん揃って登校ですか? 良いですな〜」 「おわっ、んだよ辰哉か〜、あ〜ビックリした」 「いいよな〜女の子と一緒に登下校、俺もしてみて〜」 実は香澄ちゃんと一緒に寝てたんだけどそれは言わないでおこう。 今日から授業が始まります。 最初の授業は苦手な理科だったりして、俺は大苦戦。 仮にもやっぱりここは私立な訳で、今まで公立通いだった俺にとって私立のスピードは予想以上に速かった。 んまぁ俺は順応性には優れているので、二時間目の英語からは普通に授業を受ける事が出来た。 と言っても二時間目の英語と三時間目の国語、更には四時間目の数学まで実力診断テストだったから授業のスピードも何も無いわけだが・・・・・・。 「ひで〜よ〜殺す気かよ」 辰哉が散々愚痴をこぼしていたが俺は何の問題は無い。 自慢じゃないが勉強も運動も出来る方なのだ。 「愚痴ばっかこぼしてても明日にはテストの答案が返ってくるんだ。諦めるんだな」 「乙姫は余裕そうだな」 「まぁな」 そこに竜馬もやってきて、 「エリ、どうだった? 実力診断テスト」 「まぁまぁかな?」 そんな事を話していたら何時の間にか帰りのHRが終わっていた。 そういえば今日の授業は午前中で終わりだったっけ。 さぁ帰ろうかと思ったその時、俺の視界を何者かが塞いだ。 ←back index Novel top next→ |