翌朝。 「眠ぃ・・・・・・」 それもその筈。昨日、つーか今日、俺が寝たのは結局三時半過ぎ。 まだ学校は無いだろうと思ってついつい夜更かしをしてしまった。 「まさか、今日から学校だなんて」 聞いてねぇよ、父さん〜。 で、今八時・・・・・・八時!? 「やっべ、遅刻する! 初日から遅刻はやばい!」 俺は急いで制服に着替えて部屋を飛び出た――と、 「あっ絵里菜くん、担任の先生に挨拶に行くから一緒に行きましょう」 あっ何だ、そうなのか。なんか慌てて損した。 俺はその後、一度部屋に戻って朝食を食べてから、大家さんと学校へと向かった。 ――三十分後、ようやく学校に到着した。 三十分もかかるのか。チャリとか買った方がいいかな。 前の高校は徒歩五分だったから、チャリを出すのもめんどくさくて歩いていた為、チャリは持っていない。と言うか借金のカタに取られて、今は無い。 あとで大家さんにチャリが売ってる所教えてもらおう。 そんな事を考えていたら何時の間にやらここは職員室の前。 大家さんがコンコン、とノックをし、ドアを開けた。 「失礼しま〜す」 職員室に入るだけで緊張している俺。 どうも昔から職員室は苦手だ。別に悪い事をした訳ではないのに説教を喰らう気がしてならないのだ。 「何か用かしら?」 そう言いながら、茶髪でセミロングの女の先生が話し掛けてきた。 「今日からこの学校で御世話になる龍宮と言いますけども・・・・・・」 「あぁ、龍宮くんね。待ってたわ」 「と言う事はあなたが?」 「えぇ、担任の町田亜沙子(まちだ あさこ)よ。あなたは、二年二組ね」 さっきの茶髪でセミロングの女の先生こと、町田亜沙子先生が俺の担任らしい。割と良さげな先生だ。 それから十数分、大家さんは町田先生と話をしていた。 しかし十分以上も職員室で立ってるのってなんかヤダなぁ。 暇なので、辺りを見回して何処の学校にも必ず居そうな強面の先生を探してみる。 ・・・・・・良かった。とりあえず今のところはそう言った人は見当たらない。 「それじゃあ行きましょうか、龍宮くん」 「あっはい、失礼しました」 そう言って俺は職員室を後にする。 新しいクラス・・・・・・一体どんなクラスなんだろう。 なにか素敵な出逢いがある気がする。だが同時に嫌な予感もする。 俺のこういう時の予感は当たるのだが、この予感が、吉と出るか、凶と出るか。 期待と不安で胸を膨らましながら俺は教室へと向かうのであった。 ←back index Novel top next→ |