×

[PR]この広告は3ヶ月以上更新がないため表示されています。
ホームページを更新後24時間以内に表示されなくなります。

Pegasus Link
ペガサスリンク
第一回 「進級〜俺たち三年生〜」

 空は、青々としている中に、わたあめみたいな雲がふわふわと気持ち良さそうに浮かんでいる。
 俺はそんな雲になりたかった。
 竜胆(りんどう)市の桜が遅めの桜を咲かせた頃、俺たちは最高学年になった。
 今年は受験生なんだな・・・・・・。
 俺は桜の木の上で、ひしひしと感じていた。
「クウ、そんなとこにいると足滑らせて落ちるぞ」
 そんな感慨にひたっている俺に、雰囲気をぶち壊す一言をぶつけてくる男が一人。
「なっ!? リク! 受験生に向かって滑るとか落ちるとか言うなよ!」
「はははっ。どうでもいいけど、新学期早々遅刻するなよ。じゃあな」
 そういうと俺の親友――柏木陸也(かしわぎ りくや)は行ってしまった。
 陸也は俺の幼馴染。
 ちょっとクールで、でも社交性のある、非の打ちどころのない奴だと思う。
 おまけに背も高い。確か俺と同じくらいだから、百八十あるんじゃないか?
 おっと、俺の名前をまだ言ってなかったな。
 俺の名前は、天野空馬(あまの くうま)。ペガサスみたいで、俺はすごく気に入ってる。
 身長は百八十一だったかな? 体重は、まぁ軽くもなく重くもなくってとこか。
 しかし、自分のことより先に、親友を紹介するなんて、なんて俺は親友想いなんだろうか。
 キーンコーンカーンコーンと学校のチャイムが鳴り響く。
 俺らの通っている高校――竜胆学園は、小高い丘の上に位置していて、
 ・・・・・・鳴り響く?
「はっ? あっ! やっべ、遅刻!」
 リクが言ってたのはこういうことか!
 こうして俺は、新学期早々遅刻する羽目になった。

「だから言っただろ? 遅刻するなって」
 リクがHR中に、ニヤニヤした顔で言ってきた。
 俺たちは名前の関係で、席が隣になったのだ。
「だったらもっと強く言ってくれよ。そしたら遅刻しないで済んだのに・・・・・・」
「はははっ、そら悪かったな。しかしまさか三年間お前と一緒のクラスとはな」
 そう、俺とリクは三年間同じクラスなのだ。
 さらに言うと、中学も三年間同じクラスだったりする。
「今年こそは離れたいって思ったんだけどな」
「仕方ないだろ? 俺たちはそういう運命だったんだって」
「それはキモイだろ・・・・・・」
 とリクに冷静に突っ込まれてしまった。
「そーそー、男の友情も結構だけど、行き過ぎなのも問題よね〜」
 そう言ってきたのはリクと同じ幼馴染の浅井大和(あさい やまと)だ。
 ちなみに性別は女性である。
 ついでに言うと、大和の席は俺の前だ。
 サバサバとした性格で、男女問わず親しく出来るので、なかなか人気があるらしい。
 身長は・・・・・・百六十くらいか。
 髪は短く、肩くらいの長さだ。小学校の時までは、腰くらいまで髪があったのだが、中学に上がって少しした頃に、ばっさりと切ってしまった。
 陸上部に所属している大和曰く、走るときに髪が邪魔なんだそうだ。
 そんなに邪魔なら、坊主にしちゃえ、と中学の時に言った記憶がある。
「何で三年生もあんたたちと同じクラスなの!」
「まぁ、あれだろ? 腐れ縁ってやつだろ?」
「嫌よ、あんたたちと腐れ縁だなんて!」
 確かにリクも大和も幼稚園からずっと一緒だ。
 しかもクラスもずっと一緒だ。
 それを腐れ縁と言わずになんと言う。
「ねぇねぇ、みんなで三年生進級祝いやんない? 七人でさ」
 と、大和が話を切り出してきた。
 大和は、何かと言うと「入学祝いやろ!」とか、「卒業祝いやろ!」とか言い出して、付き合うのも一苦労だったりする。
 詰まる所、盛り上がることはなんでも参加する、お祭り女なのだ。
「俺らでやるのはいいけど、あいつらは忙しいだろ」
「そうそう、とりあえず俺らだけでやって、あいつらはまたの機会ってことでいいだろ」
 七人というのは、俺ら三人と同じ幼馴染で、別の高校に進学していった四人を含んだ七人組ということである。
 その人たちとはいずれお目にかかれることだろう。
「ちぇ〜、つまんないの。折角、久しぶりに会えると思ったのにな〜」
 大和は、不満そうに頬を膨らませている。
 こうなってしまった大和は早々になだめる必要がある。
「ま、とりあえず今回は三人でということで。みんなでお祝いするのは、合格祝いね」
「合格祝いもやるのか。まぁ、もしかしたら、残念会になるかもしれないがな」
 そう言いながら、リクは視線を俺の方へと向けてきた。
 腕を組みながらにやけた顔をしているその姿は、ものすごく腹が立った。
「リク、何だその目は。その、お前は無理だろみたいな目で俺を見るな」
「そんなことは言ってないが、お前がそういう風にとったのなら、自分に自信がない証拠なんだろう。精進しろ、クウ」
 皮肉もリクが言うと他の人の二倍も三倍も威力が増す。
 大和の顔もニヤニヤとしていてなんかムカつく。
 一回、ぶっ飛ばしてやろうか、コイツら。
「まーまー、その辺にしときなって。それより! やるなら、すぐにやりたいね!」
 その時はそう言っていたのだが、実際に行ったのはそれから約一ヶ月後のゴールデンウィークのことであった。


index Novel top next


メールマガジン