土日で疲れは取れなかったが、おかげで勉強漬けの土日だった。

時差ボケなんてなんのその! 自分の勉強はあまりできなかったけど、教えることは自分の知識のおさらいになるからいい勉強になるだって誰かが言ってたし!

そんなナチュラルハイな状態の中行った期末テスト。

綾香さんに、対戦相手の学力を聞きそびれたけど、まあ関係ないか。

 

そうして答案返却日を迎えた。いや〜今までとは打って変わって展開早いね。

いつものように香澄ちゃんと登校していると、三叉路の角から側近ズが現れた。

「あら龍宮さん、おはようございます。今日は負けませんことよ?」

「今日こそ貴様の破滅の時だ。覚悟するんだな」

なんて、すでに勝ったような口調で話す側近ズ。

あいかわらず自信過剰な二人だな。

なぜいつも一緒にいるんだ? セットか? バ○ューセットなのか?

「あ、ああ・・・・・・。こちらこそよろしくお願いします・・・・・・」

一応挨拶を返すと、二人は高笑いをしながら去っていった。

なんだったんだ?

「何か勝負でもするの?」

隣でポカンとしていた香澄ちゃんが首を傾げながら訊ねてきた。

ああそうか。俺と生徒会とのいざこざを知らないんだっけ。

「ま、まあ、大したことじゃないよ。今日返ってくるテストの点を競ってるだけ」

とりあえず当たり障りのないように本当半分嘘半分で答えた。

すると香澄ちゃんは「じゃあ私たちもやろうよ! 放課後、音楽荘に答案用紙持って集合ね!」と言い出して、今日の予定が一つ増えた。

 

答案も無事に返ってきて、今俺は生徒会室の前に立っている。

ほんとに今日は展開が早いな。一話で一体何日経った?

「失礼しま――「「遅い!!」」――す・・・・・・早いッスね二人とも」

HRが終わってから極力急いできたつもりなのに、すでに二人とも生徒会室に集合していた。

「はいっ、じゃあ当事者も揃ったことですし、始めましょうか!」

ノリノリの歩美先輩の指揮の下、答案用紙を机に伏せる。

すると歩美先輩は焦らすことなくパッパパッパと答案をめくっていく。

「あ〜やっぱりね。宋ちゃん、由貴・・・・・・残念! 負け!」

「なっ! そんな馬鹿な! そんなはずが!」

「そ、そうですわ! まさかそんなことが・・・・・・」

答案を見ると、確かに俺が勝ってる。

嬉しいような悲しいような・・・・・・。

「まあ、あれや。何かあったら助けてやるさかい。心配せんでも大丈夫や」

「私もいろいろとサポートするから、一緒に頑張りましょう」

村中先輩と綾香さんのフォローは嬉しいけど何か虚しい。

「はいっ、というわけで、絵里菜くん生徒会入りけって〜い!」

こうして、大方の予想通り、俺は生徒会に入る事になってしまった。

back index Novel top next