俺らは一週間ぶりに日本の地を踏みしめた。

やっと帰ってこられたよ。

早く白いご飯と味噌汁が食べたいな〜。

「無事に演奏会も終わったことだし、宮本副部長の言葉で締めたいと思います!」

明日香先輩は高らかに宣言した。

普通、こういう場合は部長が締めると思うんだけどな。

「何で僕なんだよ、全く。さて、みんな演奏会お疲れ様。ゆっくり休んでくれ・・・・・・と言いたい所だけど、実は週明けから期末テストがある。この土日でみっちり勉強する羽目になるだろうけど、体調を崩さないように頑張ってくれ。以上、解散!」

海斗先輩の言葉で、みんなは解散する運びとなった。

助っ人の方々もいつの間にか全員帰路についていた。

さて、問題は・・・・・・。

「海斗先輩、期末テストっていうのは・・・・・・」

「月曜日からだよ。みんな大変だろうけど頑張って。それじゃあ僕も勉強するから」

そう言って海斗先輩も足早に自宅へと帰っていった。

歩美先輩たち生徒会は、今回の助っ人依頼の報告書を書くために学校に向かった。

綾香さんを除いては。

「絵里菜くん、ちょっと一緒に来てもらえるかしら。話があるの」

そう言うと、綾香さんは俺の手を引っ張って、無理やり引きずられるように学校へと向かった。なるほど俺の返答はいらないらしい。

そしてここは生徒会室。

俺にとってここは、入学しても一生入ることのない場所ベスト三に入る場所だ。

因みに一位は、無論校長室だ。

生徒会室には、まるで校長室に置いてあるような机があり、そこに歩美先輩が悠然と座っていた。

「いらっしゃい絵里菜くん。早速本題に入るわ。是非、我が生徒会の役員になってくれないかしら?」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・え?

「生徒会役員になる方法は三つ。一つは会長を含む役員三名以上の立合いのもと行われる役員試験に合格すること。二つ目は役員六名以上の推薦を受け、残る七人のうち、三名以上に承認されること。三つ目は会員二百名以上の立合いのもと現行の役員を一騎打ちで倒すことよ。あなたはその内の二つ目をクリアしたのよ」

何やら早口でペラペラと喋り倒す歩美先輩。

要約すると、俺は生徒会役員になれる技量を持っていると判断されたらしい。

うむ、実に単純明快な答えが出た。そして俺が出す答えもまた同義なり。

「え〜っと・・・・・・。何処の死神漫画の隊長就任試験か知りませんが、俺は生徒会って柄じゃないんで。と言うか、役員決めるのに一騎打ちってなんですか?」

「それはその時によって違うわ。とにかくあなたは役員になるの。これは決定事項よ」

歩美先輩はとんでもないことを言い出した。

最近の俺の発言力はサマル○リアの王子くらい弱い。

結局、強引に役員にさせられてしまうのか?

一体、これからどうなるんだ?

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