二時間かけてようやく俺たちは東京タワーの最寄り駅である赤羽橋駅に到着した。

「やっと着いたね。ここからあと五分くらい歩けば東京タワーだよ」

「やっぱり遠いですね〜」

最早、何の為にここに来てるのかが分からなくなってる。

電車を使った時点で、もうマラソンじゃない。

更に、東京に来たことにより、熱海に行った意味がない。

・・・・・・どうせなら熱海で何かしましょうよ。

明日香先輩の考えることはよく分からない。

「明日香先輩のことを悪く言うと怒りますよ?」

「えっ?」

俺、今なんか言ったっけ?

「『明日香先輩の考えることはよく分からない』って心の中で思ってました!」

ひぇ〜、美香ちゃんにまで読まれてる。やっぱり俺はサトラ○なんだ〜。

「明日香先輩はカッコいいし、綺麗だし、どこかミステリアスなところがあるし・・・・・・。兎に角、最高の女性です!」

心なしか美香ちゃんの話に熱がこもってる。

それに、美香ちゃんの顔が輝いているように見える。

まぁ、確かにその通りだとは思うけれど・・・・・・。

「明日香先輩は、美香の憧れです!」

憧れか・・・・・・確かに憧れるのも無理はない。

まだまだ明日香先輩の謎は数多くあるけど、そういうとこがいいのかもな。

「さぁ、着きましたよ。龍宮先輩」

美香ちゃんの話を聞いていたら東京タワーに着いた。

「あの・・・・・・これから、絵里菜先輩って呼んでもいいですか?」

「うん、いいよ」

もうみんな呼んでるしね。一部『エリちゃん』とか呼んでるけど・・・・・・。

「ノッポ○って何処に売ってるんでしょうね」

「それなら、大展望台二階の直営売店に売ってるよ」

「詳しいんですね」

「まぁね。前まで近くに住んでいたから」

この辺も懐かしいな。近場なのによく来たっけ。

その後いろいろと話しながら二階へ・・・・・・。

「○ッポングッズってどれがいいんでしょう?」

いろいろと悩んだ結果、美香ちゃんが欲しがった大きいぬいぐるみを買った。

勿論、お金は俺が出した。

まぁ千円だからそんなに経済的負担は無いんだけれども・・・・・・。

「それじゃあ帰りましょうか? 大会ってことは一位にはなにか賞品が出るかもしれませんよ?」

「よし、じゃあ急いで帰ろうか」

俺たちは一位を目指すために急いで東京タワーを出た。

――とその時、俺の肩に誰かの手が乗せられた。

「なぁ、お前・・・・・・、もしかして・・・・・・リナ・・・・・・か?」

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