――国語の授業――

「それじゃあテストを返すぞ〜。出席番号順に出てこいや〜!」

○田延彦みたいな事を言ってる国語の先生。

名前はまだ無い。

嘘、単に忘れただけ、というより覚えてない。

ようやく俺のテストが返ってくる番だ。

「凄いな、龍宮。よく頑張った」

「は、はぁ」

そう言われたが俺はテストの結果も見ずに席に座る。

と、直ぐに辰哉がやって来て、「何点だった? 何点だった?」と五月蝿いかったので、みんなに見えない位置、俗に言う死角から一発食らわしてやったら、「ひでぶっ」と言って倒れた。・・・・・・今の世代の人でそれ知ってる奴ってあんま居ないんじゃないか? と思いながらも俺は分かる口だったりする。

――英語の授業――

「凄いな、龍宮。これからもこの調子でな」

なんかまた誉められた。

そんなに凄いのか?

「なぁなぁ乙姫なんて、あべしっ」右アッパー、クリーンヒット。

――数学の授業――

「凄いな、龍宮。前の学校でもこんな感じか?」

またかよ、どうして教師は揃いも揃って同じ事ばかり言うんだ。

「なぁなぁおとひ、がばめんとっ!」左ストレート炸裂。

がばめんと? 政府? 何で?

辰哉のリアクションがイマイチよく分からなかったが、無事テストは三つとも返ってきた。この結果を持って音楽荘に行くことになる。

――音楽荘――

「さぁ見せ合おうか、まずは私から。えいっ!」

マイのテストは国語八十七点、英語九十点、数学六十三点の、合計二百四十点。

「理系の科目が苦手で」

「じゃあ次は私。ジャン!」

香澄ちゃんのは国語六十八点、英語五十四点、数学七十九点の、合計二百一点。

「語学系ってなんか苦手なんだよね〜」

「「次は私たちです。それっ!」」

結城姉妹のテスト。

姉の沙希ちゃんが国語五十二点、英語四十五点、数学五十一点。

妹の沙耶ちゃんが国語五十一点、英語四十四点、数学五十三点。

二人とも揃って合計百四十八点。

「やった〜! 二教科勝ったから私の勝ち〜♪」

「ふえ〜ん、また負けた〜」

なんというか、微笑ましい光景だ。っていうかみんなの変な掛け声は何なんだ?

「最後は絵里菜くんだよ」

そう言われて俺はテストを三枚、床に出した。

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