強引に再戦が義務付けられたが、綾香さんから二人について色々と情報を貰った。 秘書風の西宮由貴さんと執事風の南宗一郎くんはどうやら二年生、同級生らしい。 秘書風の西宮さんはウェーブがかった長い金髪の綺麗な人で、執事風の南くんは長身のモテそうな容姿をしているのに全然モテない人なんだそうだ。 「風」「風」と言ってるけど、別にスープが熱くて飲めないわけじゃない。 第一印象がどうも俺の記憶の中に強く残ってるだけ。 綾香さんによると、小学校の頃から一緒で、いつも「綾香様」「綾香様」とつきまとってきて、子供心ながらにそれはそれはウザかったそうだ。 もっと情報を得たかったが、これ以上話させると綾香さんのボルテージがますます上がってしまいそうだったので、話を変えて誤魔化しながら帰った。 久しぶりの我が家だ。・・・・・・賃貸だけど。 とりあえず一休みしてからテスト勉強始めようかな、と思いながらアパートの階段――今更ながら、俺の部屋は二階です――を上って部屋に戻ろうとした時、できれば見たくなかった光景が目に飛び込んできた。 人の家の前にいる、彼女らが。 瀧澤麻衣香の帰国後。 そっか、来週から期末テストだったんだ。 全然勉強してないし、第一テスト範囲も分からない。 とにかく勉強しなきゃ。 絵里菜くんなら、私の分からないところ、教えてくれるかな? 蒼葉香澄の帰国後。 テストか〜、そういえばそんな時期だよね〜。 勉強・・・・・・めんどくさいな・・・・・・。 そうだ! エリちゃんのとこ行けば、何か突破口が見つかるかも♪ 結城姉妹の帰国後。 そ、そんな! 帰ってきたばっかりなのに! 勉強なんてできない!(もともとできないけど) そうだ、絵里菜先輩ンちに行こう! 「「「「おかえりなさ〜い!」」」」 「た、ただいま・・・・・・」 ここに彼女らがいるってことは、やっぱりそういうことなんだろうな。 「もしかして、勉強?」 「その通りだよ、エリちゃん♪」 「教えてください絵里菜先輩!」 「あ、あの・・・・・・迷惑だったかな?」 そもそも彼女らは時差ボケというものを知らないのか? それから三時間、みっちり勉強したら彼女らは満足した様子で帰っていった。 しかし土日も彼女らは現れ、心身ともに疲れ取れぬまま、期末テストの朝が来た。 ←back index Novel top next→ 良かったら以下のサイトに投票願います♪ |