今日一日も無事に終わり、俺は部室である音楽荘へやってきた。
「さてみんな。球技大会、何に出場するのかな?」
 明日香先輩がふった話題は吹奏楽のことではなく、球技大会のことだった。
 吹奏楽部の出場種目は、バレーにアリス先輩・香澄ちゃん、ドッヂに美香ちゃん・結城姉妹、サッカーに辰哉。
 あれ? てことは・・・・・・。
「残りの人はバスケね。楽しみだわ♪ 因みに、私と海斗とユエは同じクラスだから悪しからず♪」
 ま、マジ?
「う、嘘でしょう?」
「いや、ほんとだよ。僕たちは三年七組。絵里菜くんたちは二組だっけ?」
「ということは、いずれ龍宮たちと戦うことになりそうだな」
 明日香先輩と海斗先輩とユエ先輩がいるチーム・・・・・・。
 うわっ、強そっ! 勝ち目ね〜。
「勝ってもらっちゃ困るもの。ところでみんな、演奏したい楽器決まった?」
 明日香先輩はやっと吹奏楽の話題に触れてくれた。
「俺はトランペットをやるよ」と海斗先輩。
「私はホルンをやろうと思う」とユエ先輩。
「私はフルートをやります〜」とアリス先輩。
「私もフルートをやります!」とマイ。
「私はオーボエがいいです!」と香澄ちゃん。
「俺はトランペットをやってみたいです」と竜馬。
「俺はシンバルなんかを出来たらな〜って」と辰哉。
「私は明日香先輩と同じなら何でも!」と美香ちゃん。
「「私たちはクラリネットをやります」」と結城姉妹。
 みんなそれぞれにやりたい楽器があるようだ。
「なるほどね〜。今年は普通に吹奏楽になりそうなんだ。ギターとか、ピアノとか、手拍子でもいいのに・・・・・・」
 手拍子って、もう楽器使ってないじゃないですか。
「ところで、エリちゃんは何をやるのかな?」
「あ、えっと、俺、楽器ってヴァイオリンしか出来ないんですけど」
「はい! エリちゃんヴァイオリン決定!」
 え〜!
 いいんですか? ヴァイオリン入ったら管弦楽ですよ?
「エリちゃん・・・・・・」
「はい・・・・・・細かい事は気にしません」
「分かれば宜しい」
 なんかもう明日香先輩の言う事が分かってきちゃったよ。
 と、ここで竜馬が、
「あの、じゃあ俺、ピアノがやりたいんですけど」
「いいよ〜♪」
 もう何でもアリか。


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